【敷金礼金ゼロ物件】初期費用なしの理由とデメリット

パソコンやスマホで不動産情報サイトを見れば、不動産屋に行かなくても誰でも簡単に物件を探すことができます。

それはとても便利なのですが、条件の良い賃貸物件の中には思わぬ落とし穴があるケースもあるので注意も必要です。

敷金礼金とは？相場とゼロ円物件のデメリット

アパートやマンションなどの賃貸契約をするとき、初期費用や前家賃と合わせて敷金や礼金が必要になる物件があります。

敷金の意味と相場

敷金というのは、賃主（大家や管理会社）に借主（住居を借りている人）が預けておくお金です。

家賃の未払いや、備え付けの備品を破損した場合の修理費などに使われます。

ですから引っ越しなどで物件を退去する時に、未払いの家賃や故意に破損した備品の修繕費などを差し引かれた敷金が返金される仕組みです。

一般的な敷金の相場は家賃１ヶ月～３ヶ月分程度です。

礼金の意味と相場

礼金は賃主が「部屋を貸すお礼として貰う」という意味があり、退去時に返金されません。

一般的な礼金の相場は家賃１ヶ月～２ヶ月分程度です。

ただし関東では家賃１～２か月分が目安ですが、地域差があり礼金の制度がないところもあります。

つまり敷金礼金ゼロ物件とは、この敷金や礼金が必要なしということです。

敷金礼金ゼロ円賃貸の思わぬ落とし穴に注意

敷金礼金ゼロ物件のメリット

敷金礼金ゼロ物件のメリットは、何と言っても引っ越しの初期費用が安くなるということです。

引っ越しの初期費用の中で一番支払い額が大きいのが敷金と礼金となります。

敷金礼金ゼロの物件なら、敷金と礼金が必要ないので、その分が安くなるという理由です。

引っ越しの初期費用はまとめて支払うため、敷金礼金ゼロ物件は初期費用を抑えたい人にとって、非常にありがたい物件なのです。

敷金礼金ゼロ物件のデメリット

敷金礼金ゼロ物件のデメリットは、物件ごとにマイナス要素があるということです。

敷金は保障として預かるお金なので、本来ならば貸主（大家や管理会社）は利用したい制度です。

それなのに敷金を０円にするという事は、何らかの理由があると考えた方が良いでしょう。

よくあるのは長期間の空室を避ける為に、繁忙期を過ぎても決まらなかった部屋を敷金礼金ゼロで入居者を募集するケースです。

大家さんは空室があるとその期間の家賃収入が得られません。

空室の状態が長期間続くとその部屋の維持費や固定費がマイナスとなってしまいます。

ですから古くなった物件などで人気が無い部屋は、敷金礼金をゼロにして借りやすくしているのです。

この様に敷金礼金なしの理由は、物件が古かったり人気が無かったりといったマイナスな面があるということを覚えておきましょう。

但し敷金礼金の設定は、大家さんや管理会社の経営方針も関係するので、条件が良い人気の物件でも敷金礼金ゼロ円で募集していることも稀にあります。

退去時に敷金の返金トラブル

敷金礼金ゼロ物件で、一番多いのが退去時のトラブルです。

通常の物件なら敷金の中から修繕費などを賄うのですが、それがないので全額負担となります。

但しこれは敷金ゼロだから全額負担という理由ではありません。

敷金を払っていても請求される金額は同じですので、敷金を払っている場合は退去費用をそこから払っているだけです。

敷金礼金ゼロ物件では初期費用が少なくて済みますが、退去時にお金が必要になることも忘れないで下さい。

但し、退去費用は敷金に関係なくトラブルが多い項目なので、その点からすると前払いか後払いかの違いしかないという意見もあります。

敷金が返金されない？退去費用の精算トラブルに注意

契約する前に確認しよう

どんな条件でも契約書にサインをしていれば、従わなければいけません。

サインをする前に気になることは確認をしておきましょう。

退去時に必要な費用

ハウスクリーニング・クロスの交換・鍵交換など

違約金に関すること

どんな状況で違約金が発生するのか

備品の修繕費

畳・襖・照明・エアコンなどの備品の修繕は自己負担か大家（管理会社）負担か

契約更新料

契約更新料が必要な物件か

上記以外でも気になることは必ず確認しましょう。

契約内容の説明を省略するような不動産業者との契約はやめておいた方が良いですよ。