賃貸契約の手付金なのか申込金なのかを詰め寄る人

賃貸物件を契約する時に、様々な名目の初期費用を支払います。

契約時に説明を受けたけれど、具体的にそれらが何のお金なのか分からないと言う人も多いようです。

手付金と申込金の違い

何となく同じような意味と思われがちですが、手付金と申込金は全く別の費用です。

これらの意味を理解していないとトラブルに繋がるので注意して下さい。













手付金とは?

もともと手付金は不動産の売買契約のときに使われます。

契約してから物件の引き渡しまでの間に支払うお金が手付金です。

賃貸契約での手付金は、契約が成立していることが条件となります。

契約をしていない状態で手付金を求められることは本来ならありえません。

宅建業法では、物件や契約内容などの説明を受けて書類による契約を交わして、契約が成立したとされています。

契約が成立後に「借主の都合で解約やキャンセルをする」場合は手付金の返金はありません。

申込金とは?

申込金とは、いわゆる預り金のことです。

どんな名目であっても契約前に支払ったお金は預かり金と言う事になります。

賃貸物件の場合は、物件を押さえておく理由で申込金を求められることが多いです。

手付金と違うのでキャンセルなどで契約が成立しなければ、通常は全額返金されます。

つまり本来であれば申込金は契約に関係なく返金されるお金です。

ただし契約が成立すれば、手付金と名前を変えて敷金や礼金などに充てられることになります。

手付金や申込金で多いトラブル

手付金や申込金のトラブルで一番多いのが、解約やキャンセルでの返金(返還)に関することです。

契約する為に押さえて貰っていた賃貸物件をキャンセルするときに申込金や手付金が返金(返還)されないなどのトラブルが起きます。

この場合は預けたお金が「手付金なのか申込金なのか」と言う事がポイントになります。

手付金 契約が成立していれば返金できない
申込金 契約前なら全額返金される
東京都の取り組み

東京都では手付金や申込金に関するトラブルが多かったので、平成4年6月から何か特別なケース以外は申込金を貰わないように指導しています。

更に平成8年4月からは「申込金(預り金)の返還を拒んではならない」となっています。

これによりトラブルは少なくなりましたが、完全に無くなったわけではありません。

手付金や申込金を支払うときには十分に注意しましょう。

手付金や申込金を求められたら

気に入った物件が見つかった時に、不動産会社に「物件を押さえる為の申込金(手付金)を入れて下さい」と言われることがよくあります。

こんな時は手付金や申込金を支払う前に次ことを確認しましょう。

  • そのお金は「手付金なのか」「申込金なのか」
  • キャンセルすれば返金されるのか
  • どんな場合に返金が可能なのか
  • 領収書は貰えるのか

相場は家賃1ヶ月分程度なのですが、支払うのは契約を決めた時だけにして、安易には支払わないようにしましょう。

 


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